有袋類とは母親のお腹に胎盤がないため子宮内で胎児を大きく育てることができません。

ですので、未熟な状態で子どもを出産し育児嚢(お腹のポケット)で育てます。

育児嚢は通常腹部にある袋で、中には乳首があり子どもはこれをくわえて母乳を飲みます。

オーストラリア大陸は他の大陸と比較すると種の発展方法に特異性があるといっても良いでしょう。

コアラやカンガルーで有名な有袋類は約140種が生息しているのですが、そのうちコアラ・カンガルー・ウォンバット・タスマニアデビルの4種をご紹介します。

今回はウォンバットです。

ウォンバット

名前の由来

アボリジニの言葉で、たいらな鼻を意味します。

豚のように鼻を使って穴を掘るため、皮膚は固くできています。

コアラと親戚関係

ウォンバットとコアラ

地面を這い回るウォンバットと一生のほとんどを樹の上で過ごすコアラには。実は関係性があります。

生活スタイル等が違っていても、動物学的にはウォンバットとコアラは一番近い関係にあり親戚関係と言えます。

ですから、地上のコアラとも呼ばれています。

有袋類

ウォンバット

コアラと同じでお腹の袋は下に開きます。ウォンバットは穴を堀る習性があるため、育児嚢に砂が入り込まないよう進化したと考えられます。

時速40Kmで走る

ウォンバット

ずんぐりむっくりの体系からは想像できないですが、短い距離であれば時速40kmで走ることができます。

これは「人類史上最速のスプリンター」と呼ばれるウサイン・ボルトとほぼ同じスピードです。

しかし持久力がないため全速力が出せるのは1分~2分程度と短いですが、敵に襲われた際などに全力で走る姿が確認されています。

サイコロ型のウンチ

ウォンバットの四角いウンチ

岩の上など目立つところでウンチをする習性を持っています。

これは、自分たちの縄張りを主張するためです。そのため、うんちが丸いと転がって縄張りを主張できないため四角くなったという説があります。

ウンチが四角になる2つの理由

①水分や食べた食物、②ウォンバットの消化管の特徴による影響が大きいと専門家は話す。

解剖した結果、独特な伸縮性を持つ2つの溝を持った腸であることを発見しました。

立方体状の糞ができるメカニズムの解明まではたどり着いていないが、四角い糞を排泄する動物は、世界でウォンバットだけなようです。

体の代謝は悪い

体の代謝(たいしゃ)が遅く食事を消化するのに約14日間かかるといわれています。エサがあまりない乾燥地帯に暮らしている場合でも生命を維持できるのはこのためです。

頭隠して尻隠さず

天敵に襲われた際は、頭から巣穴に突っ込み、自分のお尻で巣穴に蓋をして身を守る習性があります。

臀部の皮膚は1cm以上あり非常に硬く、痛覚もないため、お尻を噛まれても痛さを感じないからです。

この固いお尻は防御のみならず攻撃にも用いられ叩きつける役割もあります。

天敵のタスマニアデビルやフクロネコの頭蓋骨を砕くことも可能です。

特徴的な前歯

ウォンバット

前歯はネズミと同じように生涯伸び続けるため、硬い樹皮などをかじって歯を削る必要があります。

害獣扱いされている

ユーカリの樹の下に穴を掘って住んでいますが、中には住んでいる場所が森の中ではなく人家の近くで穴を掘って住んでいることもあります。

ウォンバットの堀った巣穴にトラクターや家畜が落ちることがある為、畜産業の妨げとなっています。

かつては駆除されていましたが、現在は保護動物として扱われています。

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